肘やひざを使って強い圧迫を可能にするテクニックです。クライアントが苦痛を訴える全身のコリを緩めるには、手や指だけではまず無理でしょう。無理やり力を入れることで手をダメにしてしまうセラピストさんも多くいます。肘を使うエルボープレスは中級レベル以上のタイマッサージセラピストには必需品と言えるほど必要なテクニック。ひざを使うニープレスはさらに上級レベルに必要なテクニック。
経験者の多くができているようで、実は多くのプロセラピストさんが勘違いしているのがエルボープレスのテクニック。肘を押し下げてしまうと圧迫の角度が変わってしまって筋肉の深い所にまで圧が届くことはありません。そればかりか骨をつついてしまったり余計な怪我を負わせてしまったりすることにもつながってしまいます。エルボープレスは腕や肩の力ではなく、腰の力で圧迫していくものです。中心圧を考慮してセラピスト自身が体制を整えて、無理のない姿勢をとることから始めなければまず難しいものです。簡単なようで実はすごく難しいエルボープレスのテクニック。セラピストの体格によっても距離やスタンスが変わってきます。
エルボープレスとニープレスは、パワープレスのカテゴリですが、実は、とても優しいタッチを表現することも可能です。例えば、エルボープレスでは、肘先の骨だけを当てて行うアプローチもあれば、肘の骨を含んだ数センチを面として使うこともあります。正確にはエルボープレスとは言えないのかもしれませんが、前腕部分の10センチくらいを使うこともあります。腕の向きを変化させれば、骨と筋肉の両方でアプローチしたり、筋肉だけを柔らかく当てて使うこともできます。とにかく多種多様に使える道具がエルボーというものです。ニープレスもコツがあります。ただ押しあてるだけではぐらぐらするので、ひっぱり具合を創意工夫しなければなりません。膝の角度によって当てる面積をコントロールする必要もあります。間違えるとすぐに肋骨くらいは損傷させてしまうこともあるパワフルなニープレス。使えるようになると、セラピストとしてのレベルは格段に上達することでしょう。クライアントの需要に応えること。それがセラピストの使命です。心から喜んでもらえることで個人指名が増えることでしょう。 |