サロンにご来店になったお客様は、必ずしも健康体であるとは限りません。さまざまな事情や疾病を抱えている可能性があります。タイ古式マッサージを取り扱うサロンではリラクゼーションの範囲を超えて治療や診断行為を行うことはできませんが、それでもお客様を傷つけたり、体調を悪化させることはできません。ですから、症状別の施術における注意点を簡単にまとめてみました。サロンでは他の民間資格を併用している場合が多くあると思われますので、他の施術に振り返ることも視野に入れて列挙してあります。参考にしてください。
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■ 食後30分以内の場合
食後は消化をするために、内臓に血液が集中しますが、施術を行なうことによって、せっかく内臓に集中した血液が身体を循環してしまいます。その結果、消化不良と同じ状態になっ て、吐き気をもよおすことがあります。施術に特に影響はありませんが、お腹まわりの施術は行なわないでください。 |
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■ 泥酔状態の場合
血行が良くなることによって、お酒の回りが良くなり過ぎてしまいます。お酒を飲んだ後は、身体がお酒を消化しようと内臓に血液が集中しますが、施術を行なうことによって、せっかく 内臓に集中した血液が身体を循環してしまいます。その結果、消化不良と同じ状態になって、吐き気をもよおすことがあります。アルコールを飲んだ後に施術を受けにいらっしゃる場 合もありますが、アルコールの分量よりも体質によってかなり個人差がありますので、自己判断せずに、責任者に指示をあおぐようにしてください。
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■ 熱がある場合
免疫力が弱っている上、血流が良くなることによって熱が上がることがあります。通常の場合にはほとんど問題ありません。熱があることよりも、熱の出ている原因の方が大切です。 施術においては、ボディ(身体の中心)を行うのはなるべく避けて、手足を中心に施術すると熱も下がります。
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■ 妊娠中の場合
うつぶせ姿勢や仰向け姿勢での施術は、母体に負担をかけますので、全身を行うタイ古式マッサージは行わないでください。ストレッチを含む全身のボディーマッサージは絶対にお 断りしてください。リフレクソロジーは OK ですが、子宮のポイントを刺激することによって、直接子宮を刺激したのと同じ状態になり、流産の可能性がありますので注意して行ってくださ い。スカルプマッサージやフェイスマッサージ、部分的なこりほぐしをお勧めしましょう。
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■ 高血圧の場合
血圧が140mmHG以上の場合を高血圧といいますが、この場合には、同意書のご記入をお願いします。160mmHG以上の場合には、必ず施術をお断りしてください。血流が良くな ることによって、更に血圧を上げてしまうことになります。同意書をいただいた場合でも、この場合には、止血のテクニックと派手なストレッチングを避けて、お客様に感じを聞きながら、 ソフトに施術をおこなってください。
※WHO(世界保健機構)血圧の基準 正常血圧 最大血圧140mmHg未満 最小血圧90mmHg未満
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■ ヘルニアの場合
施術で直接刺激を与えることによって、関節がずれたり、炎症をおこしたりします。ストレッチングは最も危険ですから、必ずお断りしてください。過去にヘルニアをわずらった場合でも、 施術の影響で、再発する可能性もあります。ストッレチを含む全身のボディーマッサージではなく、リフレクソロジーや部分的なこりほぐし、その他のメニューをお勧めしてください。 |
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■ 痛風・リウマチの場合
施術することで血行が良くなり関節の炎症部分を温め、痛みをもよおすことがあります。関節に負担がかかるようなストレッチングは絶対に避けてください。 |
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■ 重度の糖尿病の場合
「重度」をどのように判断するかは、お客様の申告に応じるしかありませんが、水虫があったり、皮膚や爪が茶色くなっている場合には、ある程度重度として判断できます。毛細血管 が弱くなっているため、血流が良くなることで血管を傷つけることがあります。免疫力が低下しているため、他の病気に感染しやすい状態になっています。糖尿病自体に特に問題は ありませんが、他の病気を併発している場合には、何が起きても不思議ではありません。重度の場合にはお断りしてください。 |
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■ けがやねんざがある場合
直接刺激することによって、炎症が酷くなったり、症状を悪化させてしまうことがあります。どこの部分にけがやねんざがあるのかを確認して、その部分は行なわないようにしてくださ い。 |
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■ 重度の骨粗しょう症の場合
「重度」をどのように判断するかは、お客様の申告に応じるしかありませんが、杖をついている場合や普通に歩くことができない場合には、ある程度重度として判断できます。直接の 骨に対する刺激を与えていなくても、ストレッチングなどによって間接的に負荷がかかることで、骨が折れてしまう危険性があります。重度の場合には必ずお断りしてください。軽度の 場合でも、リフレクソロジーをお勧めしてください。
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■ 重度の静脈瘤がある場合
「重度」の判断は自己申告によります。お客様自身が気づいていなくても、血管がふくらんでいる場合もあります。血管が弱くなっているので、全体的には弱めの施術を行ないます。 その部分には触れないで施術を行います。強い刺激を加えることで、血管が破裂してしまいます。 |
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■ 心臓病の場合
心疾患、狭心症、心臓疾患、心臓の弱い方、ペースメーカーをつけていらっしゃる方の場合には、血流が良くなることによって心臓に負担を与えてしまうことがあります。重度の場合 にはお断りしますが、軽度の場合でも同意書が必要です。 |
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■ 脳の病気の場合
脳卒中、脳腫瘍、くも膜下出血などの場合には、血流がよくなることとで脳に負担を与えてしまうことがあります。重度の場合にはお断りしますが、軽度の場合でも同意書が必要です。 また、飲んでいる薬などによっても対応が変わってきますので、よくお話を伺った上で責任者のを受けてください。
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■ 重度の水虫、炎症がある場合
リフレクソロジーで、オイルやクリーム、パウダーなどを使うことによって、皮膚の状態を悪化させてしまうことがあります。重度の場合にはお断りします。 |
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■ 伝染病の場合
免疫力が低下しているため、他の病気に感染しやすい状態になっています。B型肝炎やC型肝炎にかかって いらっしゃるとの申し出があった場合には、必ずお断りしてください。 |
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■ 3年以内に手術をしている場合
メスで切ってあるわけですから、皮膚の表面はくっついていても、内部はまだ完治していない恐れがあります。どの箇所を手術したのかを確認して、その部分には刺激を与えないよう にしてください。 |
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