開業資金は大きく2つに分けられます。開業までに必要な「準備資金」と、開業後に必要になる「運転資金」の2つです。
■開業までに必要な準備資金
1、店舗の家賃
敷金、保証金、礼金、仲介手数料、初月の家賃が含まれます。通常の住宅では敷金は1~2ヶ月分程度ですが、店舗の場合はこれが保証金という扱いになり、6ヶ月~10ヶ月分というのが通例になります。保証金はもちろん退去時に戻ってくるものですが、2~3年ごとの更新時に数か月分償却されるような契約になっていることが多いようです。また、何も設備が付いていないスケルトンの状態で借りた場合、同じスケルトンにして返却する義務がありますので、注意しましょう。
例えば、30万円の店舗を借りる場合、保証金6ヶ月分で180万円、仲介手数料が1か月分で30万円、初月の家賃が30万円で、ざっと240万円が最初に必要になります。改装を行う場合は、物件を借りて家賃が発生するようになってから工事に入りますので、2ヶ月目の家賃の支払いも、まだ売上が立っていない時期に支払うことになります。 2、改装費
これは営業スタイルによって大きく異なります。
出張営業のみであれば、マットを用意するだけで充分です。グレード感のあるサロンを作ろうと思えば数千万もかかるケースもあります。店舗の場合、電気や水まわりなどの設備が何もついていないスケルトンの物件を借りると、水周りの工事や電気工事の分が思った以上にかさむことになります。内装とは通常、床を貼って、壁を立てて、クロスを貼るところまでになります。平面図で確認するだけでなく、立体の完成予想図で確認すると、よくわかります。
3、調度品
店舗では、ある程度の装飾が必要になります。 イメージがぶれないように厳選してください。日本国内の家具や雑貨店で吟味しながら選ぶほうが納得できる買い物ができあそうです。タイ現地で買い付けることを検討される方が多いようですが、商品代金よりも運搬費がかさみます。運搬には、航空便や船便などがありますので、値段や運搬期間に応じて選んでください。船便の場合、日本国内の港まで送ってもらい、自分で通関するなどの方法がありますが、運搬費は安くつきますが、その後の手間が非常にかかりますので、あまりオススメできません。サロン所在地まで送ることをドアトゥドアといいますが、UPSなどの国際物流会社を介して保険をかけて送るほうが結果的に安くつく場合も多いようです。調度品は、店舗の場合、改装のデコレーションに合わせてインパクトのあるものを選ぶのが良いでしょう。自分の部屋に飾るような細かいものをいくつ揃えてもごちゃごちゃになるばかりでイメージの表現にはつながらないことが多いようです。
4、広告宣伝
ビジネスを行っていく上で、広告宣伝は必要です。名刺やサロンカード、ホームページやブログ、チラシやパンフレット、ポスターなどいくつものツールでまずは知ってもらいましょう。最近では、業者に直接データを持ち込むことで安く上げることが可能です。ただし、その前にデザインがとても重要であることを認識する必要があります。いくつものツールを使っても、ロゴマークやイメージカラー、フォント、イメージ写真などがバラバラでは、イメージを逆に悪くするばかりです。予算を抑えたい気持ちはよくわかりますが、必要な部分には必要な投資をすること、そのバランス感覚が経営者には必要なのです。
5、必要機器
電話、ファックス、パソコン、冷暖房機器、洗濯機、レジスター、ロッカー、金庫などが必要になります。
6、 事務用品
印鑑、ゴム印、伝票、用紙、ペン、封筒などの事務用品も必要です。
7、その他
切手などの通信費、お茶やトイレットペーパー、ティッシュ、タオル、ブランケット、洗剤、ごみ袋、オイル、クリームなどの消耗品も必要です。
■開業後に必要な運転資金
運転資金はある程度多めに設定しておきたいものです。事業を始めると思わぬお金が必要になります。運転資金は固定費と変動費に分けられます。
1、固定費
家賃、人件費、水道光熱費、通信費、リース料、借入金の返済など
2、変動費
外注費、
運送費、仕入れ費、広告宣伝費など
※サロンの場合には通常では仕入れがありませんから、運転資金は他の業種と比較して少なくて住みます。仕入れが発生する場合には、約6か月分の運転資金が必要だと言われていますが、サロンでも最低3ヶ月分は用意しておくと良いでしょう。
※社員の給与は人件費に分類されます。歩合でお願いする場合には外注費という扱いになります。
|