ホットストーンセラピーとは、石を使用して行うセラピーのことです。石は世界のさまざまな地域で療法に使用されてきました。ストーンセラピーは植物療法と同じく、身近にあるものを利用した自然療法の一つ。地域によって使用する方法はさまざまですが、主に温めた石で体を温めたりマッサージしたりして使用されていたようです。アーユルヴェーダ(インド)では5000年以上も前から石をマルマポイント(ツボ)に使用した歴史がありますし、ハワイではカフナたちが溶岩をヒーリングマッサージのために使用していました。中国北部では「ヘン石」と呼ばれる石を使った療法があり、体を温める治療法が発達しお灸や温めた石を使い痛みや冷えを改善してきました。ネイティブアメリカンは日光で温めた石をスウェットロッジ(蒸し風呂)の中で使って浄化を促したり、月経痛時に下腹部に当てて使用しました。日本でも温石(おんじゃく)を痛みの“癒し”や灸の代用として利用してきました。また、石は体に使用するだけではなく、不思議な力が宿っていると考えられています。石にはエネルギーをプログラムする、または生み出す力があり、石そのものも独自の波動を持ち、相互作用する相手に影響を与えると考えられています。いろいろな石が「パワーストーン」として、お守り、宗教儀式、ヒーリングに使われてきました。現在一般的に普及しているストーンセラピーはネイティブ・アメリカンの流れを及んだものとして、マリー・ネルソンが開発したものです。ここで使用する石は、玄武岩です。玄武岩とは、火山から噴出して流れ出した溶岩がゆっくりと固まった石のこと。石を50度から60度に温め、そこから得られる遠赤外線効果で身体を温めていきます。岩盤浴をしたことのある人なら分かりやすいですが、岩盤浴と同じような効果が得られるので、施術後はしばらく身体が温かい状態が持続します。身体を温めながらマッサージを行うことで、通常のハンドマッサージより効果が高いことも特徴です。ホットストーンを使用したマッサージは、通常のハンドマッサージに比べてその効果は高く、3倍から7倍にもなるといわれています。不調を起しやすい部分に温めた石を乗せて、その部位を芯から温める方法と、オイルと併用してマッサージを行うという方法がありますが、両方を施術時間の中で行います。 |